アウンサンスーチー

アウンサンスーチーの伝記「アウンサンスーチー」P・ポパム著・明石書房刊(2012年7月1日初版)を読了した。
ビルマ、今日のミャンマー)解放の父アウンサンを父とする彼女の軍事政権下のビルマにおける過酷な弾圧と軟禁生活のなかで、不屈の精神、不服従非暴力の精神(それゆえガンジーを思い起こさせる)で生きる人生を記録したものだ。
本文562頁に及ぶ大著で読むのも相当な力を要したが。ビルマ、世界で最も民主化に遠い国といわれた国で民衆の支えであり続け希望の星であるマ・マ(スーのこと)が国民民主連盟(NLD)を率いて民主的国家建設を目指す戦いは壮絶だ。
2012年4月1日の補欠選挙でそのNLDが圧勝したことは記憶に新しい。1988年8月に政治の世界に登場してから22年3か月が立つ。マ・マはその間、3度の自宅軟禁を余儀なくされる。通算15年3月(約5500日)にもなるそうだ。そこから自由になった。そして選挙に圧勝した。
伝記にはそこは書いていないが、次の展開がビルマにとって、ビルマの人々にとって明るいものになることを祈りたい。
近著「アウンサンスーチー」という同題の角川新書も併せ読んだ。