土地改良区だより

下野市南河内土地改良区でこのほど「南河内土地改良区だより」を創刊した。(7月吉日創刊とある)本日届いたので、そこに拙文を寄稿したものを転載してみました。
以下全文です。
「我田引水」自分優先、他は顧みずの意だが、農作業に実を上げるにはこの水を安定的に確保することが、そして時には暴れまわる過剰な水をいかにして制御するかが一大事であった。その仕事は長く続いた。おそらく何百年も。しかし、田川や江川の恵みを受ける当地では水をめぐるお隣とのいさかいも上流下流地域の間の争いも、今では遠い過去のものになった。すべては土地改良によるものだ。
堀さらいは重労働だが水田農業には欠かせない共同の仕事だ。その仕事、今ではおおよそ不用になった。堀沿いに伸び放題の草刈りも然りだ。つい先ごろまでは野辺の草刈りは若衆の朝飯前の一仕事だった。牛や馬のエサになった訳だ。それも大方はなくなる。圃場を整えたことによるものだ。
一致協力の結果、圃場が整い、水の管理に成功し、重い労働からも解き放たれた。農業生産を将来ともに安心して営む。生産も上がる。そうした環境ができたこと、できつつあるのは何よりだ。
農業をめぐる情勢は厳しいが、食料の生産基地として南河内土地改良区に寄せる期待は高い。