社会保障と税の一体改革によせて

 三党合意によって社会保障と税の一体改革のうちの税制が消費税増税という形で進められようとしている。肝心の社会保障だが、一口に社会保障といってもそれは医療であり、年金であり、障害者や少子化、介護。そして生活保護等々多岐にわたる。この社会保障にいったいどれほどの費用が必要とされるのかについて調べてみました。
国立社会保障・人口問題研究所が毎年度、社会保障給付費を取りまとめ発表している。現行は平成21年度の資料が最新。平成21年度の社会保障給付費は99兆8507億円、対20年度比で5兆7659億円、6.1%の増加でした。この数字、平成24年度では予算ベースでみることができます。それによると、給付費総額は109兆5千億円。3年間で10兆円も伸びたことになります。
 部門別にみると、医療に30兆8447億円(これは給付費全体の30.9%を占める)、年金に51兆7246億円(同51.8%)、福祉その他が17兆2814億円(うち介護対策が7兆1162億円)となっている。
 こうした給付費に見合う財源のうち社会保険料収入は55兆4126億円(45,5%)でここ数年ほぼ横並び状態が続く。公費負担は39兆1739億円(32,2%)そのたは資産運用などとなっている。この公費負担、国は一般会計予算に計上(平成24年度予算では26兆3千億円あまり)、残りは地方自治体が。国の負担分26兆円余りのうちの4割程度は赤字公債(一般会計で予定する資金を国債などの借金で賄う)ですから、10兆円程度の社会保障の費用を将来世代へのつけ回しで工面しているという構図になります。
 今般の消費税増税(平成25年4月から10%案)で5%増税分のうち4%(10兆円)程度をこのつけ回し回避に予定する。しなければどうにもならない事態になっているということです。
社旗保険料を支払う健康保険組合でも苦しい状態にあることは承知しています。そのことについてはまたの機会に。