ハンセン病への理解

栃木県藤楓協会の定例理事会がありました。この協会が取り組む「ハンセン病」への正しい知識の普及にちなみ、私の理解を述べます。
旧来の「らい予防法」(明治40年発令、昭和28年改正)は平成8年4月1日廃止され、「らい病」という表記も「ハンセン病」と改められています。患者を国立療養所へ強制的に隔離した政策が基本的人権の侵害にあたるとしたハンセン病国家賠償請求訴訟では、平成13年5月11日、熊本地裁で原告勝訴の判決、剛年5月26日国が控訴断念で判決が確定しています。
入所者の高齢化が進みなくなる方も増える状況下で、療養所での医療・介護体制整備、療養所の地域開放や社会復帰の支援、元患者の福祉の増進等を盛り込んだ「ハンセン病問題の解決の促進に関する法律」は制定(平成20年6月18日)され、21年4月1日から施行になっています。
本日の藤楓協会は栃木県出身者との交流や支援活動を行っている組織で、理事会が開かれたという次第です。
私はかって猛烈に本を読んでいたころ、神谷美恵子著作集の全巻を読んだことがあります。彼女が今でいうハンセン病者が強制収容されている瀬戸内海の島に医師として出かける。何回も何年も。そこでの交流や思いを書いている文章にも出会い深い感動を覚えたものです。
今県政に関わる立場にあって本日の会合に臨み、活動の一端を聞くに及んでそのことを思い出し、国家的レベルで差別と偏見があり、その中で苦しみ、果敢に戦ってきた多くのみなさんのことを深く思いました。