お米余りがとまらない=米需要は805万トンにまで減少

農水省は7月30日、2010年7月から2011年6月までの米の需要見通しを805万トンにすると発砲しました。これは昨年11月に813万トンとした見通しを8万トン下方修正したものとなりました。
○2009年産米の販売は低調で、過剰生産、前年度産在庫の膨張、値下げになった小麦製品などの影響で、供給オーバー、したがって買い手市場が続いてきた(日本農業新聞論説・7月28日)とされているなか、米の在庫が315万トン(2010年6月末)(民間215万トン、政府98〜99万トン)を超える水準にまで達しました。2005年以降は260万トン前後で推移してきたようなので、今回は実に異常な事態ということができます。
○在庫が積みあがる一方で米の需要は減るばかり。ついに800万トン近辺にまで近づいてきたことになります。
政府は米の適正な備蓄を100万トンとして一定期間保管後に主食用に販売する回転方式をとっていますが、、これもまた限界に近付いてきたことになるでしょう。
○こうなる米価の行き先も不安定にならざるを得ない。すでに農水省発表の出荷団体と米卸の6月の取引価格は昨年9月より7%安の60㎏1万4120円(ざっと1000円下がった)。こうなると2009年産米の過剰在庫を抱える産地では困ったことになる。「事態を放置すれば米価は底なしで下がりかねない」(加藤紘一自民党農林部会最高顧問)。
○一方では、鳴り物入りでスタートした「米戸別所得補償モデル事業」で直接補償金を当て込んだ値引き交渉も行われているという話だから、事態は混とんとしてきました。
○米離れ、そして天下の愚策(丹羽宇一朗駐中国大使談)と言われてしまった米戸別所得補償モデル事業、そして農業の行方。しっかりと考えていかねばと心しています。