極めて不安です。来年度予算概算要求基準に1割削減方針=政府決定

○来年度予算の概算要求基準閣議決定しました。すでに各メヂィアが報ずるとおり、各省庁の要求額を今年度比で1割以上削減するというのだから、これは大変なことです。今年度予算もまた大判振る舞いの結果、92兆3千億円にまで膨れ上がっているわけですが、このたびの概算要求の組み換え基準によれば、国債の元利払い(21兆数1千億円とみられる)を除いて歳出総額を71兆円以下に抑えること。社会保障費の自然増1兆3千億円を容認すること。新規国債の発行額を今年度波の44兆円以下にすること。地方交付税は今年度と同水準とすること。特別枠は1兆円超確保して、政策コンテストを公開で実施すること。などが示されたわけです。

○本当に困った政府になった、これがこのたびの閣議決定の過程から今日に至る経過をみての私の感想であり思いです。心配ごとは今朝の新聞各紙の論調にもある通り(ただしA紙の提灯記事は別ですが)民主党政権が省庁ごとの縦割り予算をやめ、政策優先の予算編成を目指すとしてきた、その考えはどこに行ってしまったのだろう。民主党政権が編成する初の本格予算だというのにである。社会保障費の自然道1兆3千億円を容認する。こともなげにこの方針を決めること。それでいいとは私は思いません。社会保障費用は28兆円にまで達する、まさに天井知らずの勢いで増え続ける費用です。自民公明の連立政府がこの傾向に危機感を持ち、多くの批判を受けながらもその抑制のために汗を流したことが思い出されます。容認してはいかないのです。対策を講じなくては国家財政は危機的な状態にまでなっていく。そこに社会保障費用の増大が寄与する。ここを何とか打開しないといけないと考えています。
地方交付税もまた今年度と同水準(17兆5千億円程度)にするということのようです。地域主権改革を進めるという名のもとに、地方への権限移譲を進め、そこを担保する財源もまた地方に移すという大きな考えは2011年度は実現しない。実現に近づかないということです。
○特別枠1兆円を用意するといえ方針ですが、たとえば農林水産省予算で見ますと、今年度2兆4517億円。今年の戸別所得補償モデル対策(5618億円)を対象外としますと、残る1兆8899億円の1割を削減する(つまり1900億円程度)わけですから、概算要求額は1兆7千億円程度にならざるを得ない。ここにいくら特別枠の配分を付けたとしても、戸別所得補償の本格実施(米以外の作物や畑作への適用)など不透明にならざるを得ない。

○あげればきりがないことになります。哲学なき財政政策が政策コンテストなどという小手先の演出できめられていくのでは本当にこまったことになります。地方への影響もまた計り知れないほど大きい。この事態に私は心して対処しなければならないと考えています。