医療費の伸びが止まりません=平成21年度医療費の動向(厚生労働省)

厚生労働省はこのほど平成21年度医療費の動向を取りまとめ、公表しました。(この内容はおいおい分析と検討作業を行うつもりです。)
○医療費は35兆3千億円で、これは対前年度比で1兆1900億円(3.5%)の増加です。平成16年度からのデータをみても、毎年度1兆円程度の伸びを見せてきていますが、1兆円を大きく超えたのは今回が初めてで、やはりそうかという思いと同時に心配な状況が生まれたというのが率直な感想です。
○というのも、自公連立政権時代には多くのご批判を受けながらも、増え続ける医療費の抑制に向けて努力が続けられたことは記憶に新しいところですが、民主党政府は今回診療報酬を引き上げましたし、平成23年度予算の概算要求基準でも社会保障費用の自然増1兆3000億円を容認する方針ですから、平成22年度の医療費はもっと増えると予想できるからです。
○医療費は70歳未満の国民で18兆1000億円、70歳以上が15兆5000億円です。この伸び率も対前年度比でみますと、前者が2.2%増、後者は4.6%増ですから、高齢化時代の今、医療費はまさに天井知らずの時代がやってきたとみてよいでしょう。
○高齢化に加えて、医療の高度化が診療報酬に大きく作用しています。命を救う医療の進歩、それは大いに歓迎すべきことです。それと相まって増え続ける医療費を誰がどう負担するのかという、一方の議論もまたしっかりと行っていく必要がある。それは待ったなしです。現政権のようにつらく厳しいことはてを出さないでは済まされない事態がやってきているということです。